この記事では、まだ大家業をされていない方であっても、主に不動産大家業がどんなものかを知って頂く最初の取っ掛かりとして、まずは不動産大家業のデメリットについて話していきます。この記事を読むと、以下の内容が分かります。
■「不動産投資」と「健全な大家業を維持すること」の違いがより深まる。
では早速、内容に行ってみましょう♪
■不動産大家業のデメリットについて考えてみる
前回の記事の最後の方で、「不動産投資」と「健全な大家業運営の維持」にはクリアしなければならない事柄に大きな違いがありますよ、というお話をしました。
今回は不動産大家業のメリットとデメリットのデメリットの方を先にについて考えていくわけですが、その時にも上記の立ち位置の差が如実に表れます。今回は、両者の立場でそれぞれどのような違いが出て来るかについても概要が把握できる内容となっています。
■不動産大家業のデメリット
まずは、大家業のデメリットから取り上げていきたいと思います。ざっと挙げると以下の画像のような内容となります。
大家業というよりも、ここでは不動産としての特徴を挙げています。次からはそれぞれについて詳しく説明していきます。
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■初期投資に手出しがかかりすぎる/不動産投資のデメリット
最初のデメリットとしては「初期投資として、金銭的に非常に重荷を背負わないと不動産を入手できない」という事です。一般的に全額現金で買う人というのはなかなかいないので、一定の手付金などの金銭を貯めたりですとか、金融機関から借り入れができる人でないと、小さな戸建てであっても、なかなか新規で不動産自体を手に入れるのが難しいということです。
しかし、よく考えてみればわかることだと思いますが、これは相続で不動産を承継した方の大半にとってはおそらく関係のない話です。
大半の場合はとくに親御さんが住まわれていた住宅となるとローンは完済されていることの方が多いでしょうし、仮に残債があったとしても新規購入でつくる借入債務に比較すれば、数段小さいものであるはずだからです。
ほぼ、自身の身銭を切らなくても「すでに持っている財産」であるわけです。ですからこのデメリットについては、もともと相続によって引き継ぐ形となった方には
該当しない内容かなとは思います。
■高い利回りの実現が難しい/不動産投資のデメリット
「不動産投資なんて周回遅れ」という話にもつながる内容ですが、不動産投資は他の金融商品の投資に比較しても非常に高い利回りが実現しにくい投資であることは事実です。
たまに「地方のボロ戸建てで利回り20%を実現!」ですとか、「再建築不可物件で史上最高利回りを実現!」なんていうタイトルの書籍なども見かけるかと思いますが、元金融機関の担保評価を年間800件以上担当していた私が思うに、これらは不動産初心者にとって、非常に危険な判断となりますので、絶対に手を付けてはなりません。
相当の不動産売却知識と、出口戦略についてを網羅した知識がないと、再起不能の選択にもなり得ます。
不動産初心者の方は、特に「お得に買うには訳アリ物件」と思いやすいのか、平気で三角の土地や再築不可物件、接道に問題がある物件などを最初の投資として手を出そうとするのですが、不動産投資で考えた場合、初期の物件では特に、絶対に転んではいけません。
そして、最初にお話ししたように、不動産投資は投資+利回り、そのほか後述するデメリットである手間や経年劣化という観点までを入れた場合、不動産専門の私が言うのもなんですが、利回りだけを見たら、完全に他の投資の方が勝る点が多いです。
しかしここでも、このデメリットは相続で不動産を承継した方の大半にとっては関係のないことです。
それは同様の理由で、お持ちの物件は「すでに持っている財産」であり、「投資」ではないからです。ですからここには「利回り」という考え方もありません。
■手間がかかる(事業規模)/不動産大家業のデメリット
3つ目のデメリットは「大家業」「不動産投資」に共通するデメリットになります。それは、「維持に非常に手間がかかる」ということです。
現段階で、サブリース会社に丸投げしていらっしゃって「手間なんかかかってないよ!」という方もいるかもしれませんが、本来、「健全運営」と「その維持」を考えた場合、非常に手間がかかります。これは、正直不動産の種類にもよりますが、1棟物件などであれば、事業レベルで掛かります。
そして、今は出来ていなかったとしても、今後そのくらいの熱量と気持ちで取り組んでいかなければ、新しい時代にも利益を出し続けていく、健全運営を維持するということ自体が難しくなります。
■環境変化に弱い/不動産のデメリット
4つ目のデメリットとしては、「環境変化に弱い」ということで、これも不動産投資、大家業共通する話となります。
日本は地震、災害が多い国家ですし、人口減や超高齢化社会という既存の未来の問題のほかにも、2020年のパンデミック後には都心部の人口が地方へ分散していくっていう流れが出てきていたりと、個人の力ではどうにもならない環境変化というものが想定されています。
そういった時代ですとか環境の変化に対しての対応となると他の投資商品などに比べると、比較にならないくらい非常に弱いかなと思います。株や債券、仮想通貨などはアブナイと思ったらすぐに売却すればいいかもしれませんが、不動産は売却するにも時間・労力・お金がかかってきますから、環境変化に合わせて動かすという事が非常に難しい財産です。
■想定外のことが起こりがち/不動産大家業のデメリット
5つ目の共通のデメリットとしては「想定外のことが起こりがち」ということで、前項でお話した、地震災害大国、という事にも関わってくる話ですが、
それ以外にも大家業というのは、どんなに大家さん側が気を付けたとしても、やはり不特定多数の色々な価値観を持った人が係わってきますから、もう本当に普通にしていたら想定外のことの宝庫という言いますか、色々な予測できなかったことというのは起こります。
私の両親の1棟目のビルの話で言えば、もう、ありとあらゆる様々な事件事故トラブルがありました(笑)
動画などでもお話してきたことですけれども、地下鉄サリン事件が起きたころには、7匹・4匹・4匹の計15匹の生まれたばかりの子猫を1日おきにエントランスに置いていかれたという事がありました。
最初は住人さんから連絡があり、母と私で確認へ行くと本当に不審な紙袋がそこにある。。。「サリン!?」と開けるのも怯えていたところ、ガサゴソと袋が動いたことで、「まさか、赤ちゃん!?」と別の恐怖感に襲われたところ、おそるおそるタオルを引っ張ってみるとゾロゾロとまだ目も開いていない子猫が出てきました。
そして、もう一時期は家族全員で不眠不休で子猫にミルクを飲ませる作業したりですとか
本当にですね、思いもしないようなことというのはたくさん起きます(笑)
でも、そのおかげで今では家族全員ネコ好きで、今も2匹の猫と暮らしています。
そういった想定外の事件をどう解決するかが大家業のひとつの課題でもあって、また、どこまでそういう想定外の事柄や人間模様を楽しめるかっていうことが(まあ、内容にもよりますが)隠れた報酬でもあり、財産でもあるわけなんですけれども、とにかく想定外のことというのはたくさん起きます。
■維持経費が掛かる+経年劣化/不動産(家屋)のデメリット
6つ目のデメリットとしてはこれも共通の内容ですが、固定資産税がかかったり、固定費のほかに維持経費が各所で結構かかるということです。
そして、何といっても経年劣化と付き合っていかなければならないってことです。株や債券や仮想通貨は価格変動はあっても老朽化という概念自体がありませんが、
不動産(家屋)はモノであるということと、大地主さん等でなければ一般的には家屋がないと収入を得にくいため、どうしても家屋を通して収益をつくらなくてはならないことが多くなります。
土地に関しては土地価格の上下はありますが、老朽化とは一応、無縁ではあると言えるかもしれません。しかし、持っているだけで固定資産税はずっとかかり続けます。
■短期売買・短期利益には向かない/不動産投資のデメリット
そして最後のデメリットの内容としては「短期売買・短期利益には向かない」ということで、不動産が動かしにくい財産です、という事はここまでにお話してきましたが、それに併せて別の理由としても短期で売買を成立させて、短期で利益を大きく出すという事に対しては、特に個人は圧倒的に不利で、難易度が相当高いですというお話になります。
税金面でも、不動産は「不動産取得税」や「仲介手数料」不動産登記にかかる費用もありますし、利益を出したとしても短期である場合、税率が高くなります。
また、短期となると売却時に急激な土地の価格高騰や市場価値高騰などの追い風でもないと個人はそもそも「仕入れ」が難しいので、大きく利益を出すには入手の時点で「コネ」や「しくみ」が必要になると思います。
そこまで行ってしまうと、不動産知識や法令知識の習得、関係構築、仕組み構築となってしまい、正直そこまでいくと宅建業者のすることなので、個人には敷居が高すぎます。
特別に何らかのタイミングで縁故者から不動産を安価に譲ってもらえたですとか、そのような異例の状況がない限りは、あまり考えるべきではない方向性だと個人的には思いますし、その場合なども大家業しちゃったら?とも思うので、短期売却は選択肢としては微妙な気がします。
[に]
■承継相続した不動産であれば、多くの不動産投資デメリットは関係ないことが分かった。
今回の内容で、特に前半に集中していましたが「不動産投資」と考えた場合と「大家業」と考えた場合のデメリットには大きな違いがあるという事は少し分かったのではないかと思います。
次は不動産大家業のメリットについて話していきたいと思います。
また元気にお会いしましょう!
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